28mm機銃 (1.1インチ機銃)

存速と飛翔時間

推定命中率と命中帯

対空戦闘のイメージ


米海軍の艦艇が対日開戦時に装備していた大口径機銃が、この28mm機銃である。
同じく主装備であった12.7mm(.50口径)機銃とともに、開戦後は急速にエリコン20mm、ボフォース40mmに交換された。
毘式四十粍よりは少々モダンな製品ではあったが、結局、信頼性の欠如を解消できなかったようだ。

銃架にハンマーを常備し「故障への対処は訓練あるのみ」とまで謂われた、少々残念に終わった大口径機銃の性能や如何に。

砲弾存速と飛翔時間

要目
砲弾直径 28mm
砲弾重量 416g (炸薬量17g)
砲口初速 792m/s
発射速度 約150発/min (8発クリップ) (持続射撃速度 約100発/min)
砲架形式 四連装 (4挺を束ねることで、.50口径一挺分の発射速度と吊り合う勘定にしたようだ)
射撃指揮 Mark44方位盤 (遠隔操縦装置+環状照準器)

28mm機銃 存速と飛翔時間




推定命中率と命中帯

28mm機銃 推定命中率

25ミリ弾に対し、断面積では1.25倍なのに重量が1.7倍もあるためか、比較的伸びのある曲線となった。
1,700m以上まで命中を期待してしまいそうな図である。
ちなみに炸薬量も25ミリ弾の約1.7倍。当たれば相当に痛いはずだ。

28mm機銃 命中帯

対空戦闘必中射程として約860m。
至近から900m余りまでは、距離修正せずに射撃可能だろう。
そして対空戦闘有効射程は約1,500m。
こうなると25ミリ機銃とほぼ同じ解釈となる。



対空戦闘イメージ

28mm機銃 九九艦爆急降下

ここまでくれば当然だが、およそ25ミリ機銃同様の図である。

対空戦闘有効射程から投弾までは、楽観的に見ても4秒間程度。
相当する発射弾数は6~7発程度となり、四連装一基あたり24~28発が見込まれる。

また音速限界線から投弾までなら、約7~8秒余。
現在距離3,000mあたりからむやみに撃ち始めても、予め装填しておいた8発クリップ2個で足りる、という感覚となるか。

(順調に弾が出るならば)25ミリ機銃同等の、優秀な性能であったかもしれない。
この弾幕は突入降下する九九式艦爆にとって、大きな脅威となっただろう。



機銃まとめ

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