エリコン20mm機銃

存速と飛翔時間

推定命中率

対空戦闘のイメージ



広く謂われる、いわゆる「三段構えの対空火器」
その最も内側にあたるのが、この20mm機銃である。
零戦の主翼に搭載された、あの20ミリ機銃の親戚でもある。
管理人にとっては、空母や戦艦に「ずらりと並んだ」イメージが極めて強い。

戦争末期には
「威力射程とも足りない」
「夜間は発砲時の閃光で艦のシルエットを敵に提供するだけ」
「すでに火を噴いている敵機を爆発させるのがやっと」
などと散々な言われようであった、20mm機銃の評価はいかに?

砲弾存速と飛翔時間

要目
砲弾直径 20mm
砲弾重量 123g (炸薬量5g)
砲口初速 835m/s
発射速度 約450発/min (ドラム式弾倉60発) (射撃速度 約250~320発/min)
砲架形式 単装・連装・四連装
射撃指揮 銃側

20mm機銃 存速と飛翔時間



推定命中率と命中帯

20mm機銃 推定命中率

高速軽量弾ゆえに存速減少も急速で、推定命中率は勢いよく低下する。
本図においては約1,000~1,100m程度までが、命中を期待できる範囲と思われる。

20mm機銃 命中帯

予想される「対空戦闘必中射程」は約800m超。
本図においては「対空戦闘有効射程」とも同じとして扱う。

推定命中率30%を見込んだ場合は、有効射程960m程度。
ただし射程が延びるにつれ、弾道高さは急激に高くなってしまい、その取り扱いは楽ではないと思われる。
実戦的には、800~900m程度の実用射程距離としてもいいかもしれない。


対空戦闘のイメージ

20mm機銃 九九艦爆急降下

優秀火器ではあるのだろうが、本図を見る限り、急降下爆撃機に対する有効性に疑問が残る。
対空戦闘有効射程(緑色の実線)から投弾まで、下手をすると1秒間に満たない。

さらに、図示はしていないが、雷撃機に対しても同様である。
距離800m以遠で投弾されてしまうと、どうにも損害を与えにくいように思える。

想定するテキは、戦争初期においても100m/s以上(九七艦攻)。山なり弾道で当てるには少々厄介と思われる高速目標だ。
また戦争後期ともなれば120m/s以上(天山)などとなり、いわば2割増しの超高速目標となってしまう。

銃架に搭載されたMark14照準器が傑作優秀であることは疑いもないが、しかし万能ではない。
弾道高さが急変するような射撃には、簡単には対応できないだろう。

もちろん、ひとたび800m以内に入ろうものなら、たちまちにその威力を発揮するだろうこともまた、疑いを持たない。



28mm機 銃

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